直樹先輩がウチを呼び出してくれた。


会いたい、早く会いたいねん……。


ウチの存在、知ってたん?


何か信じられへんけど……。


支度が終わり……外に出たら、ウチが途中で止めた洗い物、ばあちゃんが代わりにしてた。


ウチは無言で自転車の鍵を開け、サドルに股がる。


ばあちゃんは無言で洗い物をしてる。


ウチはペダルを漕ぎ出した。


少しずつ埋めてきたみぞ……
さっきの着信が、また元の深さと広さに掘り返した。


人生って……予定通りにはほんまにいかんもんや。