直樹先輩、こっちをウチを見てよ……

何とか、気持ちをひきたかったウチは、メイクを覚えた、髪も染めた……オシャレもしたい、でもばあちゃんから貰う小遣いだけでは全然足りんかった。


万引きを覚えた。


万引きした服や靴、下着、メイク用品は仲間達の間で、「無料商品」と呼ばれていた。


家に持ち帰ると、ばあちゃんにバレてしまうので、無料商品は全て、友達の家に預けていた。


友達の家で茶髪に染めた時……
家に帰ったら、ばあちゃんに髪の毛を鷲掴みにされ振り回された。


地毛に戻せと言われたけれど……ウチは断固として、染め直さずにそのままの状態でいた。


だって、先輩がまだウチの事に、この熱い思いに気付いてないもん……
何とかして、目立つ事をして惹き付けたかったから、地毛に戻すなんて嫌や。


そんな事しか考えてなかった14歳。


そして……
塾から連絡があり、今までサボっていた事がばあちゃんにバレてしまった。


たこ婆とウチの間にみぞが出来た。


出来たって言うよりも、そのみぞは、ウチが自分で掘ったものやけど……。