ウチは中学生になり、ばあちゃんの期待から少しづつずれて行く事に……


中2の時、進路を決める三者面談があって、成績は並みより少しばかり下やった、
辛うじてもうちょっと頑張れば……公立高校に入れるレベルやった。


その時初めて知ったこと……
ばあちゃんは、ウチを高校、大学と行かせようとしていた。

「何でなん?
そんなお金……ウチの家にあるわけないやんか?」

と言ったウチに、ばあちゃんはニヤッと無敵な笑みを見せた。


「ワテはな……お前には秘密にしてた隠し金、持ってるのや」


 えええええ~嘘?


聞けば……学資保険に昔から入っていて、それとは別に、ウチの進学の為にって、ちゃんと貯金してくれていた。


なぁ、たこ婆~
ウチは、あんたに味わせてやりたいよ、美容院でシャンプーして貰った時のあの気持ち良さを……
今度、無理にでも、騙してでも連れて行くからな。

どんなに貧乏してたかって、ウチの頭に学問入れようとしていた、ばあちゃんの気持ちに大泣きしたあの日。


せやけど………。