ばあちゃんはウチを背負い、1人で2人分の体重を支え、たこ焼きを焼き続けた。

暑い蒸し返すような夏も、寒くて手足がかじかむような冬も……
ばあちゃんは粉だらけになりながら、たこ焼きのピックをくるくる動かしていた。


小学5年の時……
ウチはある事に気付いたんや。


ばあちゃんの指がおかしい……所々、人とは違う方向に曲がってる。


ばあちゃんはそう言えば……何の病気かは知らんけど、ずっと病院通いをして薬を飲んでいた。



いつか教えてくれた……
リウマチと言う病名を……悪化防止に治療は続けても、完治させることは難しい病気なんやと……。


ばあちゃんの口から、
「痛い」と言う言葉は、未だかってウチは聞いたことがない……
それよりも、ウチは未だに、この人の「涙」は……これも見たことないって言いたいけど……
一度だけ、一回だけはある。


その涙の訳は……また後から話すよ。