●ウチ●
「あぁ~美味しかったぁ」
と、たこ婆特製のきつねうどんをペロッと平らげた。
何で特製かって?
あげが普通に売られているあげとは違う。
ばあちゃんが秘伝のだしと黒砂糖で丹念に煮付け、それは大量に作り置きされ、いつでも冷蔵庫に保存されてる。
いなり寿司の時も、ばあちゃんは、このあげで作ってくれる。
これが……世間で言うお袋の味かな?
食後のデザートに、ウチはセブンスターに火を点ける。
と、キティがウチの膝の上に乗ってきた。
ウチは、煙がキティにかからんように、顔を横に向けて、白い息をスゥ~と吐いた。
「マンマ~マンマ~おつかれちゃん~」
膝の上のキティが、キティちゃんのぬいぐるみを抱きしめながら、ウチを見上げた。
この子は……
ウチが腹を痛めて生んだ、正真正銘、ウチの子供。