●アタシ●
アタシ真理子
あぁあ、忙しい、忙しいよぉ~
久美子は眠りについたって事で、次は満月を見に行かなくてはね。
アタシについて来て~
今から、満月ママの家庭訪問に行くよ♪
ここは、店から車で15分ばかり走らせたある通り~
1台の外車が止まった。
そこは、昔ながらの長屋が並ぶ、低い木造の家々が連なる通りだった。
黒田の車から、満月ママが降りてきた。
「おっちゃん、またな~」
と、車から降りた満月が向かった家は?
長屋の一番、角の家?
えぇぇぇぇ~こんなとこ?
アタシはてっきりマンションとか想像してたんだけど?
まぁそれはいいとして、満月が止まった角の家……家の前には?
たこ焼き たこ婆?
と書かれた大きな看板が……?
でも、店は木の板が打ち付けられ、現在はどうも営業している気配はなかった。
満月は、その横から入って行き、鍵を開け家の中に入った。
表札は山下……
やはりここが住まいか……。
アタシは生唾を飲みながら、満月に続いた。
だってさ、満月の家庭訪問なんて、この時が初めてだったから……