その日、黒田の来店は時間も遅く……
深夜の1時をまわっていた。


カウンターで琥珀色のグラスを揺らし、物静かに飲んでいる黒田。


私は黒田の前に立たされたけど……何もない振りをするなんて、マジで難しいよ。


そんな高度な技は、まだ私には無理のような気がする……
でも、あなたの命令に従わなければいけないのよね、だって私は恋の奴隷だもの。


そのグラスを持つ指が教えてくれた絶頂感。


鼓膜をくすぐるその声。


快感くれる道具を奥に秘めた、その口。

前にいるだけで頭がくらくらしてきて、私は目眩がした。


私の脳が今、スケルトンなら……エッチな妄想でいっぱい詰まってるのが見える筈。