「風牙。なんだよお前。
親父泣かせんじゃねーよ。」
そう言って涙を拭いながら
俺の頭を叩いた。
「痛ぇな。やめろよ。」
そう言って笑っていると、
親父は急に真剣な顔つきになる。
「風牙。言おうかどうか
悩んだんだが、、、、」
「なに。」
「俺な、再婚する事にした。」
「え、マジ?」
俺の母さんは俺が
生まれてすぐに
病気で亡くなった。
それから親父は
男一人で俺を育ててくれた。
多分、俺が想像出来ないくらいに
苦労したんだと思う。
「だれ?どんな人?」
「…………………。」
親父は数秒黙った後、
信じられない名前を言った。