俺は勝手に溢れてくる 涙を拭いながら 俺が忘れてんのは 久隠の事だと確信した。 いつも久隠の笑顔を想像したら、 痛み出す頭。 さっきの小さな女の子の家。 あの家は久穏の家だ。 俺は、真っ白の世界を 一歩ずつ一歩ずつ前に 歩みを進めることにした。 「待ってろ。久隠………」