「抜け出そうぜ。」
俺は久穏の耳元で呟いた。
久穏は一瞬びっくりした様な
そんな顔をみせたが
笑って頷いた。
久穏指名の列はまだまだ
人が並んでるけど……
ま、いっか(笑)
そして、俺たちは
今屋上にいる。
「はぁはぁはぁ…」
「久穏息切れやばいけど
大丈夫か??」
「風牙…くん…ハァハァ……
走るの…早いよ……ハァハァ」
「あー、そっか。
俺が手引っ張ってたからか。
ごめん…久穏。」
「大丈夫だよ。
それより、連れ出してくれて
ありがとう!!」
「え?」
「私ね?中学校の時から
男の人が怖いの……
だから、連れ出してくれて
ありがと。」