「お、おう!久穏お疲れ。
相変わらず授業はだりぃよなぁ。」
風牙くんは椅子に腰掛けて、
背伸びをしながら
めんどくさそうに呟いた。
恥ずかしい……
さっきのさっきまで
手紙のやり取りしてた
なんて、恥ずかし過ぎる…
私は、恥ずかしさを
払いのけるかの様に
いつもより大きな声で
風牙くんに喋りかけた。
「あ、あのさ…さっきの
事だけどほんと?」
そう聞くと…気のせいかな?
風牙くんの頬が赤いのは。
「あぁ、ほんとにいいのか?
水族館なんて。」
「うん!行きたい。
私小さい頃に一度だけ
行ったことあるんだけど
あんまり覚えてなくて。
楽しみです!」
覚えてないなんて嘘。
実は幼稚園の時
風牙くんと風牙くんのお父さん。
私と私のお母さんで
水族館に行ったことがある…
どこの水族館だったかは
忘れちゃったけど
楽しかった事は覚えてる。
「…実は俺…水族館初めてなんだよ。」
風牙くんのその言葉が
少し胸に傷んで
涙が溢れそうになったけど、
私は笑顔でこう言った。
「え?そうなんだ!
じゃ、思い切り楽しもう?」
「おう。」
あー楽しみだァ☆