次の日もその次の日も、昨日と同じ電車に乗った。

でもあの快速電車に俊介の姿はなかった。


たまたま乗った電車だったのかも

乗ってても窓際にいなければ見つからない。

私に見つかりたくなければ隠れればいいだけ


あれから3日たった。

あれっきり俊介の姿はみていない。

気付けば俊介のことばかり考えていた。

私のことなんて気にもしてないかもしれない

私に再会なんてしたくなかったかも

新しい彼女がいるかもしれない

それでも、

それでも会いたい……

せめて、私の気持ちを伝えたい……





帰り道。いつもの駅につくアナウンスが車内に流れた。でも私はおりるつもりはない。

俊介に会いにいこうと決めたから。

ドアのすぐ横に立ち、自分の住む町を見つめた。

駅のすぐ近くにある公園は桜がきれいに咲いていた。

3年前俊介と別れたのもこの時期だった。

桜の咲くあの公園で私たちは別れた。



「なんでこんなに会えないの!?」

私は俊介を一方的にせめた。

「仕方ないだろ、仕事が忙しいんだから」

些細なことから喧嘩になり口論が始まった。

「私のこと好きじゃないの!?」

俊介は下をむき、つぶやくように言った。


「わからない・・・」


その言葉が胸にささり、私は別れを告げた。


どうして私はあの時、俊介の気持ちをもっと考えなかったんだろ。

今ならわかる、俊介は忙しいのに、時間を見つけては会いにきてくれていた。

私はそれに気付かず、もっと、もっとって求めるばかりだった。

俊介に謝ろう、そして気持ちをつたえよう・・・