『達也おきなさい!遅刻するわよ!』

桜井達也16歳

今年から市内の公立高校に通うことになった。

『…あと5分だけ。』

そう言って僕はまた夢の世界に入ろうとしたその時

『何言ってるの!飛鳥ちゃんもう来てるのよ!』

『………!?』

僕は慌てて学校の仕度をし玄関に行って見ると、

『達也ママ!学校行って来ます!』

母さんに向かって笑顔で言ったこの子は、東條飛鳥。僕の幼なじみで毎朝僕を起こしに来てくれる。

『飛鳥ちゃんいつもごめんね!』

『いいんですよ!じゃぁ行ってきます!』

『気をつけていってらっしゃいね。』

僕の毎朝はこうやって始まる。