…。

カーテンをしていないせいか、朝日が見事に俺達に差し込んでいた。


…。

…朝日!?


俺は、ふんわりと包まれていたまゆの様な心地好い膜を破る様にして飛び起きる。

暢気に歯を磨くほたるがベッドに腰掛けていた。


「…朝??」

俺がそう呟いても、ほたるは何も喋らずに扉の向こうに行ってしまった。


完璧に誤解されてるな、これは。

絶対ほたるは一線超えたか一戦交えたと思ってるな。


けど、それくらいでって言ったら女心を分かってない俺が失礼なのかもしれないけど。

それくらいで落ち込むようなヤツだとは思わなかった。


そんなに俺を信じてないとは思わなかった。

…まぁ、付き合って、知り合ってそんな日もたってねぇし、無理もねぇっつぅか。


男はいつだって狼になれるからな。

俺は女怖いからなれないけどね。


そんなマイナスな事を悶々と考えていたら。

ガチャリ、て扉が開いてほたるがベッドにダイブした。


「善弥がこの部屋チョイスとは思わなかったぜ☆」

…あ、れ…??

怒ってるんじゃねぇの??誤解してるんじゃねぇの??


ただ俺は呆然とほたるを見ていた。

「どぉせ私を襲おうとか思ってたンだろ」


そんな俺を知ってか、知らずか。

ほたるはいつもの悪戯っぽい笑みを浮かべながら俺に指を指した。

「ち、違ぇよ。…ん、ンなわけ、ねぇだろ」


ああぁぁ!!!!!

何言ってンだ、俺!!!

こんなん余計に怪しいっつぅかごまかしきれてないぞ!!!


別に図星ってわけでもねぇし、そんな魂胆とかねェンだからよ!!!!

「ふぅーん」


絶対信じてないな、その目は。

俺はただあの男に言われた通りの部屋に言っただけ…

…!!!!


そうだ、俺は悪くないぞ!!!

あいつが、あいつが悪いンだ!!!


「あの男が、この階を言うだけ言って何号室か言わなかったから悪ィンだよ!!!」

そうだ、そうだ、そうなんだぞ。


「…お、男って…??」

「あの超イケメンでずっと笑顔の管理人みたいな奴!!!」


そう言ったら、ほたるはすごい驚いていた。

「それよりも、何で何号室か言わねェんだ」


独り言のように、俺は文句に近い言葉をぽつりと呟いた。

「別に、何号室でも変わらないよ」


ほたるは、俺のひざの上に頭を乗せ、俺を見上げながらそう言った。

「…は??」

「だって、このマンション自体私の家だもの」

「…は??…………はぁああ!!??」