朝、玄関の扉を開く前に靴を履く。
覗き穴を覗くと、やっぱりほたるが居た。
扉を開けると、ほたるがすんごい笑顔でこっちを向いた。
まぁテンションが高いのは毎度の事なんだけれど。
「善哉!!」
お袋の前で、俺に抱き着いた。
当然俺の顔は真っ赤っかになって。
お袋は優しく笑うだけ。
「フフ、おはよう、い…ほたるちゃん」
「はい!!!おはようございます!!!」
ほたるは気にせず俺に抱き着いたまんま挨拶をする。
俺が男だってちゃんと分かってんのか??
俺も俺がちゃんと男かどうか錯乱しそうになる時があるからたまったモンじゃない。
「私の読み切りが乗るんだぜ!?りぼんに!!!」
驚いた。
ほたるの、漫画がりぼんに載るなんて。
ほたるの漫画はBL要素の入った同人系の本でしか見たことなかったから…
てゆうか載せていいの!?
「善哉のおかげだ!!ありがとうな、昨日キスしてくれて!!!!」
オイオイオイオイ!!!!!!!
言っていい…ワケじゃないけれども!!
言う場所があるでしょうが!!!!!!!
お…お袋が見てるゥゥゥ!!!!
「フフッ私も昔はそんな恋愛もしたわ〜」
「お、おぉ…そうか…」
なわけねぇだろ!!!!
え!?お袋昔はこんなんだったの!?
腐女子なの!?漫画家なの!?
でも…本当にあのキスはただ漫画のタメだけだったんだな…。
そっか。