きついと思う。


 雄哉も土日ぐらい、あたしに甘えたいのだろう。


 そういったことは、十分分かっていた。


 五年も一緒にいれば、互いの事は手に取るように把握できてしまう。


 ずっと想っていた。


 彼の事を。


 そしてその週の土曜の昼過ぎに、いつものように雄哉が来たのである。


「ああ、いらっしゃい」


 玄関先で出迎えると、彼が、


「いつも済まないね」


 と言って、室内へと入ってくる。


 互いにゆっくりするつもりでいた。


 せめて休みの日ぐらい、平日の憂さは忘れたい。