確かにここで過ごすのに長袖の衣類は一切必要ない。


 ビーチから海に目を転じれば、波音が聞こえ、ゆっくりと快適な時間を送れる。


 絶えず打ち寄せてくるのだった。


 Tシャツに短パンのジーンズというラフな格好で佇み続ける。


 島での時は悠久ねと思いながら、暑さに蒸されていた。


 度入りのサングラスを嵌め、前方を見続ける。


 普段近視用のコンタクトレンズを嵌めていて、その日は外してから、サングラスを掛けていた。


 そして夕方になると、彼と一緒にホテルに戻る。


 雄哉も疲れているのだろう。


 今日が三月二十五日だったので、当初の予定通り三泊すれば、三月二十六日の朝にはホテルを撤収することになる。


 まだ時間があるので、海だけでなく、島の山側にある野生環境も見ようと思っていた。


 滞在中は時間を有意義に使うつもりでいたのである。