「おはよう、友里」


 と言ってきた。


「ああ、雄哉、おはよう。……今、コーヒー淹れてあげるわよ」


「アイスでもいいよ。何か熱気があって、空気が生温いし」


「春が来た証拠よ。もう冬も終わりだわ」


「このまま一気にまた暑くなるんだろうね」


「うん。あたしもそう思ってる。暑さは人間を参らせるけどね」


 そう言ってカップにコーヒーの粉末を入れ、上からぬるま湯を注ぎ足し、冷蔵庫に入れていたミネラルウオーターで割る。


 そして差し出した。


「ああ、ありがとう」


 彼がそう言ってカップに口を付ける。


 互いにいろいろあった。