そう言って、キッチンに立ち、夕食の準備をし始めた。


 普通に過ぎ去っていくのだ。


 その日の夕方は豚肉と野菜の炒め物をメインにすることにし、料理し始めた。


 雄哉はまだタブレット端末を見続けている。


 お互いいろいろあった。


 あたしも料理は適当である。


 味の加減なども、その場に応じて塩を足したり、砂糖を足したりしていた。


 普段はずっと外食続きで、濃い味に慣れていたのだけれど、彼と食事する時の料理はなるだけ薄味にしている。


 雄哉が端末のディスプレイから顔を上げ、キッチンへと入ってきてから、


「友里、コーヒーもう一杯もらうよ」


 と言い、薬缶にぬるま湯を入れた。


 そしてガス台に掛け、沸かす。