喜んでくれていたので。


 もちろんバレンタインは一年に一度なのだけれど、渡すチョコレートぐらい安いので、気に掛けてなかった。


 彼が言う。


「これからも一緒にいられるね」


「ええ。お互い、揃って歩いていきましょ」


「うん。俺も葛藤みたいなものは抱え込んでるんだけどな」


 雄哉もどうやら会社ではいろいろあるらしい。


 あたしも察していた。


 彼の苦痛の類を。


 まあ、あたし一人が何を言っても始まらないことではあったのだけれど……。


 日曜を過ごした。


 揃って、である。