寒い日と暖かい日が混じり、何かしら不可思議な気すらしていた。


 だけど、二月もすぐに終わり、暖かい春がやってくる。


 そう思っていた。


 その週も週末になり、彼が来たのである。


「こんにちは、友里」


 土曜の昼過ぎ、雄哉がバッグを抱えて、やってきた。


「ああ、いらっしゃい。……寒いでしょ?上がって」


「うん。今日と明日はお世話になるよ」


「ええ。ゆっくりしてってね」


 そう言い、キッチンで薬缶にぬるま湯を入れ、沸かす。


 そして彼用と自分用にコーヒーを一杯ずつ淹れ、カップを持ってからリビングへ来る。


「お仕事はかどってる?」


「ああ、まあな。営業ってのは仕事取ってくるわけだからね。きついよ」