「ああ、いいね。俺も普段テレビ見る暇ないし」


「ずっとお仕事でしょ?」


「まあ、そうだね。どのぐらい仕事してるかよく分からないけど、かなり働いてるよ。ずっと外回り続くけど」


「あたしはまだいい方かも?屋内勤務だし」


「でも、疲れてるんだろ?毎日」


「まあね。……でも一つ言えるのは、あたしも人生勉強してるってことよ」


「そう?やっぱ君もいろいろあるんだね?」


「ええ。でも小手先で何かあったとしても、死ぬわけじゃないし」


 軽く息をつく。


 彼が、


「世の中、憂さばかりじゃないしな。楽しいことだっていっぱいあるし」


 と言った。