だけど、それでもよかった。


 割り切っていたのである。


 家族とは縁がなかったなと。


 まあ、侘しいのは侘しいのだけれど……。


 ここを乗り切ることが必要だと思っていた。


 たとえ、どんなことがあったとしても、雄哉がいてくれる限り、舵を取る船は座礁しなくて済む。


 そう感じるからこそ、生きていけるのだった。


 まあ、悪いことは長く続かない。


 そういった時はそういった時で、淡々と仕事をこなせば済む話だった。


 焦ってない。


 禍福が巡りくるというのは、言い得て妙だと思う。


 付いてない時も付いてる時も、目の前のことを一つ一つこなしていけばいい。