関心がないわけじゃなかった。


 ただ、株を使った犯罪など、あまりにも巧妙過ぎる。


 やはり加賀美コンツェルンは知能犯揃いだった。


 呆れているのである。


 あれだけ世間を騒がせておいて、無罪放免など有り得ない。


 刑罰が必要だった。


 そしてその週の木曜の午前中、東京地裁で判決が言い渡されたのである。


 裁判官三名と補充裁判員六名による合議の結果、成川ら幹部に懲役三年の実刑と、罰金二千万という判決が下された。


 まあ、当然だろうと思う。


 時間外取引などの手を使った株価の不正操縦など、日本中を大混乱に貶めるものだからである。


 玉木が、 


「当然の結果でしょうね。もちろん、被告人たちも即日控訴しましたけど」