金曜の夜は楽しみだ。


 明日、雄哉と会えると思うと。


 彼といる時は、嫌なことを思い出さずに済む。


 それに雄哉も何かしらトラウマを抱え込んでいるはずだ。


 お互い、シンパシーのようなものがあるのだった。


 暗黙裡に分かり合えるという。


 そういったことを痛感しながら、彼がやってくる土曜を楽しみにしていた。


 土日はずっと一緒にいて、ゆっくりしていたのだし……。


 あたしも思うのだ。


 日常ではいろんなことがあるという。


 そしてそう思うたびに、絶えず前進すべきと感じているのだった。


 週末などの休みだけでも一緒にいられれば、きっと乗り越えられる。


 冬の寒い峠を歩くように、だ。