「ああ、雄哉。……寒かった?」


「うん。しっかり着込んでるけど、冷えるよ」


「上がって。今、コーヒー淹れるから」


「ああ、済まないね。俺もちょうど飲みたいって思ってたし」


「濃い目がいい?」


「うん。エスプレッソ一杯飲めば、目が覚めるから。俺も土曜は朝寝坊するし」


「まあ、話は部屋の中でしましょ。冷える場所だと、辛いと思うから」


「ああ。じゃあ、お邪魔するよ」


 彼がそう言って靴を脱ぎ、部屋へと入ってきた。


 室内は暖かい。


 外が寒いので、尚更そう感じるようだった。


 部屋の中は掃除しておいたので、塵や埃などは全く落ちてない。


 あたしもそういったところはしっかりしているのだった。