「うーん、普通に仕事してたよ。別に変わらない感じだったし」


「相変わらず営業?」


「うん。それしかないんだし」


「あたしもずっと企画書打ってるから、腱鞘炎ひどいわ」


「そう?たまには休めた方がいいよ。痛みって体のシグナルなんだから」


「まあ、そうね。でも、不思議と身に付いてるわ。仕事そのものが」


 そう言って、コーヒーのカップに口を付ける。


 体が温まり始めた。


 コーヒーの発する微熱と、暖房の熱で。


「もうそろそろ十一月も終わりだね」


「ええ。早いわよ。あっという間に年末年始が着そう」


「ここ数年間、時間が経つの早いな。そう感じてる」


「あたしもそう思う。普段仕事に追われてても、朝出勤したらあっという間にお昼だし、