今年のクリスマスはどうなるか分からなかったのだけれど、多分仕事が入るだろう。


 だけど、気にしてなかった。


 年末年始は雄哉と一緒に過ごせるからだ。


 父のことは、もう忘れたいと思っている。


 ろくな人間じゃないからだ。


 極度のアル中が体に祟ったと聞く。


 そんな輩が仮に肝臓ガンで死んだとしても、誰一人として泣かないだろう。


 もう帰る家はない。


 でも、それでよかった。


 別に家族との離死別など気にも掛けてない。


 それだけ、まだ若いということかもしれなかった。


 三十代女性というのは。


 金曜の夜、自宅に帰ってきて、部屋に入った。