それに、今時の大学生などでテキストなどまともに読まないくせに、適当に履修して楽に単位を取ろうとする人間がいるのは嘆かわしいと思っていた。


 そんな人間に学位などをくれてやる大学は最低だと感じる。


 あたしなんか、大学四年間で専門の芥川だけじゃなくて、漱石や鴎外、太宰や三島などいろんな作家の作品を読んできた。


 単に卒論に芥川を選んだというだけで。


 ずっと活字ばかりだった。


 未だにそうだ。


 あたしもまだ、学生時代勉強できなかったことを、勉強し続けている。


 別に抵抗はない。


 好奇心なんて単純なものじゃなくて、より高度な向上心というものがあるからである。


 まあ、そんな話は雄哉とはしなかったのだけれど……。


 休日は堅い話はしないつもりなのだし……。


 また明日から通常通り、職場に行く。