それは十分分かっていた。


 外回りをし、注文を取ってくるのが、彼の任務だ。


 体調はいいようなので、そこは安心できていた。


 あたしも同じ男性でも、お酒を大量に飲んだり、タバコをスパスパ吸ったりする人間が一番嫌だったのである。


 だけど、そこは雄哉もクリアしていた。


 一緒のベッドの中にいながら、交わる。


 抱き合い、絡み合った。


 そしてお互いオーガズムを迎える。


 微妙にずれた形で、ゆっくりと達した。


 彼の頑丈な二の腕に抱かれ、しばらくベッドの上で余韻を味わっていたのである。


 雄哉のいいところは、アルコールやニコチンなどを摂取しない点に加え、持ち前の誠実さだった。


 それが異性であるあたしを虜にし、惹きつけていたのである。