だけど、それでも、夜眠れなくなることはまずない。


 ずっと健康的な生活を送り続けていた。


 自宅と会社の往復だったのだけれど……。


 休みになれば、ゆっくりしている。


 気を抜くと言うけれど、まさにその通りだった。


 土曜の朝、ベッドから起き出し、キッチンへと向かう。


 コーヒーを淹れるためだ。


 一杯口にするだけでも全然違う。


 飲んだ瞬間から、苦みで眠気が吹き飛ぶのだ。


 カップを持ち、ゆっくりと歩き出す。


 リビングへと。


 一晩熟睡すれば、疲れは取れる。


 日常生活できついことはいくらでもあった。