雄哉が椅子に座り、


「何か話題ある?」


 と訊いてきた。


「うん。……今週は本当疲れちゃった。部下が打った企画書に目を通すのがしんどくてね」


「そう?君も大変だね」


「そりゃそうよ。一応管理職なんだし」


「板挟み状態、続いてる?」


「うん。……でも合間に休憩すれば、何とか回っていくし」


「確かにな。俺は食事休憩以外、休む間ないけど」


 彼がそう言って、椅子に座ったまま、ゆっくりし続ける。


 そしてあたしの方が口を開いた。


「こうやっていられる時間が一番いいんじゃない?」


「まあ、そうだね。何気ない時だけどな」