先で物音がした。

 
 彼が来たと分かる。


 歩いていき、扉越しに口を開いた。


「はい」


「あ、俺。雄哉」


「ああ。今開けるわ」


 そう返し、扉を押し開ける。


「また一週間ぶりだね」


「ええ。……お仕事お疲れ様」


「君も疲れただろ?」


「うん。だけど平気よ。……週末あなたと会えると思えば」


「そう?ならいいけど」


 一言言い、部屋奥へと歩き出す。