コーヒーの入ったグラスの中で氷がカランと揺れる。


 別に気にしてなかった。


 所詮氷など、水の塊だから、溶けてしまうのである。


 ベッドから起き上がり、リビングへと入っていって、


「今日は煮物だけど、いい?」


 と訊いてみた。


「ああ。食べられれば何でもいいよ」


 雄哉が頷き返し、ベッドに横たわったまま、しばらくの間、持ってきていたスマホを見続ける。


 そしてそのまま、休憩を取り始めた。


 どうやら転寝したようである。


 疲れているのだろう。


 見守りながら、片方ではキッチンに立ち、料理の方をし続けた。