そのまま溺れていく。


 情愛というものに。


 彼の髪からはデオドラントの香りが漂ってきた。


 あたしもそれを敏に嗅ぎ取る。


 頭髪から漏れ出たいい匂いに、思わず心が動いてしまう。


 雄哉が、


「友里、どうしたの?」


 と訊いてきた。


「いえ、何でもないわ」


「そう?だったらいいけど」


 彼も感じるのだろう。


 あたしの心の動きに。


 そして性交しながら、快感を得ていることも。