別に砂糖やミルクなどを入れなくても、ちゃんと飲めるのである。


 苦いコーヒーに慣れていた。


 会社でもコーヒーメーカーには苦めのコーヒーがセットしてある。


 いつも同じ社員が作っているようだ。


 もちろん、ペットボトルも持参していた。


 何せこの季節、水分を取らないと、熱中症や脱水症状になったりするからだ。


 気を付けていた。


「友里、今から外出しない?」


 彼が突然、そう誘ってくる。


「うん。……どこに行きたいの?」


「海まで行ける?君が車運転してくれたら」


「ええ」


「じゃあ、夏の海見に行こうよ」