適度に骨休めできる時が来ていた。


 普段の憂さを忘れて過ごす。


 ずっと同じことが続けば、単調さで心身に異常を来たすから、休みの時はのんびりしていた。


 ゆっくりと息をつけるように。


 外からはセミの鳴き声が聞こえてくる。


 夏真っ盛りであることを容易に想起させた。


 気を抜き、座っている椅子の背凭れに凭れ掛かる。


 時は着実に過ぎ去っていく。
 

 何も言わなくても。


 ただ、あたしたちは通じ合っていた。


 長年、恋人同士でいるのだから……。


 それにお互い成熟しているのだし……。