だけど、蒸し暑さは尋常じゃなかった。


 こんなに日差しが強いと、熱中症になる。


 ペットボトルは必ず持っていっていた。


「これから一週間過ごせるよな?」


「ええ。休暇中は一切予定が入ってないから」


 そう言ってキッチンに立ち、アイスコーヒーを二杯淹れる。


 この季節、冷たい飲み物がいい。


 そう思っていた。


 リビングに戻ってきて、雄哉に差し出す。


「ああ、済まないね」


 彼がそう言い、グラスに口を付ける。


 喉が渇いていたようで、一気に飲み干した。


 そして夏季休暇が始まる。