夏だから、フロア内は冷房を効かせていた。


 ずっとキーを叩き続ける。


 企画書などは自分が作成する分もあるのだし、部下たちが送ってくるものもあるのだから……。


 それにあたしも瀬岡課長からいろいろと言われるのだ。


「時間無駄にしないで、しっかりやれよ」と。


 発破を掛けられると、尚更そう思ってしまう。


 ずっとキーを叩き続ける。


 腱鞘炎は悪化していた。


 それに坐骨神経痛や椎間板ヘルニアなど、職業病もある。


 座りっぱなしだと、こうなってしまうのだった。


 まあ、それも仕事をしている過程で起こっていると思えば、済む話かもしれないけれど……。


 また雄哉のことが無性に恋しくなる。