立ち上がり、コーヒーの入っていたグラスをテーブルに置いて、キッチンへと向かう。


 そして麺を茹でるため、鍋にお湯を沸かした。


 夏の昼は蒸し暑い。


 そう思い、しばらくキッチンに立つ。


 待っている合間、ずっとスマホを見続けた。


 やはりネット依存症なのだろう。


 だけど、社内でもあたしよりひどい依存症の人がいる。


 特に若手の男性社員などは、食事中などもずっとスマホに見入っているようなのだ。


 そんな人間に比べれば、遥かにマシなのである。


 あたしも三十代半ばで年齢的に安定した感じなのだったが、別に極度のIT依存症じゃない。


 それにこれから先の人生は雄哉との時間に充てたいと思っている。


 ずっと一緒にいられると感じていた。