「じゃあ、今は何とか体調大丈夫ね?」


「ああ。さすがに万端とまではいかないけどな」


 雄哉がそう言って笑う。


 釣られて、軽く笑ってしまった。


「ずっとフロアでパソコンに向かってるんだろ?」


「ええ。単純作業続きよ」


「お昼食べたら、すぐ仕事?」


「うん。一応休憩時間あるんだけど、あまり暇がなくてね」


「無理しちゃダメだよ。生身の体なんだから」


「まあ、そうね。あたしもちゃんと体調管理するつもりだし」


 そう言って、ストレートで流していた髪をサラッと掻き揚げる。


 シャンプーやコンディショナーの香りに地肌のにおいが混じっていて、何とも言えなかった。