彼がそう言い、部屋の隅に置いてあった扇風機を抱えて持ってきてから、コンセントを差し込む。


 電源ボタンを押して稼働させた。


 そして幾分風が生温いと感じながらも、あたしの方に向けてくれる。


 しばらくは暑さが凌げた。


 立ち上げていたパソコンに見入り、ゆっくりしている。


 雄哉も一緒の画面を見ていた。


 梅雨時は扇風機の風でも、寒く感じることがある。


 仕方ないと思っていた。


 いつも社では体温が急冷されるぐらい、冷たかったのだし……。


 そう思えば、これぐらい平気だ。


 その週はとにかく、お互い本調子じゃなかったので、会社でも仕事がはかどらなかった。


 ベッドの上でゴロゴロしながら、いくらかでも疲れを取る。