「じゃあ、しばらく話しましょ」


「ああ。……でも俺、いつも思うんだよな。君とはずっと円満に続いてるなって」


「それはね、お互い基本的な人間関係が出来てるからよ。あたしの方は父がアル中で入院中で、家族関係がぎくしゃくしてても」


「まあ、確かにそうだな。俺も思うよ。家族関係を超えたところでも、人間関係が出来るからな」


「でしょ?あたし、いつもそう思ってるの。別に父親がろくな人間じゃないにしても、構わないって」


 そう言って軽く笑う。


 お互い気持ちが安定している。


 深呼吸し、吐き出すタイミングで、


「――雄哉、これからもずっと続くわよね。あたしたちの関係」


 と言った。


「ああ。俺もいつでも君のところに来てあげるから」