と訊ねると、


「ああ、俺。雄哉」


 という声が聞こえてきた。


「今開けるわ」


 施錠していた扉を開けると、彼の顔が見えた。


「ああ、いらっしゃい。上がって」


「済まないね」


 雄哉が持っていた傘を玄関口に置き、


「雨降りそうだったから、一応持ってきてたよ。でも空振りだった」


 と言って笑う。


 そして部屋に入り、リビングの椅子に腰かけた。


「今日の食事、ラーメンしかないけどいい?」


「うん、別に平気だよ。俺も朝と昼ちゃんと食べてきたから、夕方は手抜きでもいいし」