「それはいずれ合併などまで含めてのことでしょうか?」


 ――現段階でそこまでは行きませんが、我々もちゃんと次の策を考えておりますので。


「次の策とは?」


 ――簡単に申し上げれば、御社の技術力等を弊社にご提供いただくということです。


「そうですか。……もちろん、都合の悪いことではないのでしょう?」


 ――都合の悪いこと?そんなこと一言も言ってませんよ。


 成川が電話越しに開き直った。


 そして言う。


 ――考え過ぎなんじゃないですか?互いに都合のいいビジネスパートナーであればこそ、出来ることだと思うのですが……。


 一瞬考え込んだ。


 都合のいいビジネスパートナー?


 何かよく分からないことを言い出したので、戸惑う。