海は絶えず、波が押したり寄せたりしている。


 車に戻ると、雄哉が、


「あ、友里。おはよう」


 と言ってきた。
 

「ああ、おはよう。コーヒー買ってきたわよ。飲むでしょ?」


「済まないね」


 彼がそう返し、缶を受け取る。


 そしてプルトップを捻り開け、飲み始めた。


 休日の朝が過ぎていく。


 喉越しのいい冷たいコーヒーを飲みながら、海を見つめ続けた。


 彼方にはブイやボートが浮かんでいる。


 ゆっくりしていた。


 休みの日ぐらいのんびりと、と思ってだ。