「ああ、こんにちは。お邪魔するよ」


「上がって」


 そう言って、部屋に上げる。


 そして扉をロックした。


 彼が開口一番、


「会いたかったよ」


 と言ってきたので、あたしも頷き返し、


「あたしも」


 と言った。


「加賀美コンツェルンの関係者と会ったんだろ?」


「ええ。さすがにあの日は疲れちゃったけどね」


「株の持ち合いで提携していくの?」


「うん。危険な感じがしてたけど、余計な心配みたい」