「ちょっと出てくるわ」


 と一言言って、歩き出す。


 あたしも不安はある。


 いつまで女性社員として、この仕事を続けられるのだろうかと。


 葛藤が起きることも、たびたびあった。


 だけど、考え出したらキリがない。


 だから、極力考えないことにした。


 人間は目の前にあることを淡々とこなせばいいからだ。


 あたしも時間に追われる生活をしている。


 平坦じゃない。


 でも、それが会社でも管理職という立場にいる人間の抱える責任だろう。


 そう思ってやっていた。


 ランチ店に行き、日替わりを一つとアイスコーヒーを一杯頼む。