ああ…私も容子みたいに落ち着いてたり、清華みたいに行動力があったら良かった。


そしたらこんな失敗しなかった―――……ううん、転ぶ事自体無かったかもしれないのに。


「いないわねぇ。せめて学年位分かればいいんだけど………」


清華はまだ昨日の男の子を探し、生徒が行き交う廊下を見渡している。


「胡々愛、その男の子他に何か特徴無かったの?」


「特徴?えーーーっと……」


「あっ、胡々愛ちゃんと容子ちゃんと清華ちゃんじゃん!ぐーぜーーん☆」


清華の質問に、私が一生懸命昨日の記憶を辿っていると、ジャマが入った。