「はじめまして。滝本一輝(たきもとかずき)です。よろしくお願いします」
「キャーっ」
「ヤバイ」
顔はまだ見ていないけど
滝本くんがカッコいいということは
顔を赤くしている女子をみればすぐにわかる。
とりあえず 顔あげないと
変に思われちゃうな…。
目に飛び込んできたのは
なんとも言えない…
言わせないような
整った顔で微笑んでいる
滝本くんの顔だった…。
確かにカッコいい。
だけど やっぱりおとこだ、って
当たり前か!!
なーんて 心のなかで
つっこんでいると……
「うーん、そうだなぁ…席は 藍沢の隣が空いているな。滝本、藍沢の隣に座ってくれ」
「はい」
滝本くんが笑っただけで
黄色い声があがる…。
ありえないでしょ!!
って……!
なんで滝本くんは
こっちに近づいてくるの!?
嫌!!いや!!いやぁー。
来ないでーっ!
「な、なに」
「なにって…俺、この席だよ。よろしく、藍沢さん」
「あ、そ。よろしく」
私は消え入りそうな声でいった。